鉄鋼商社とは

鉄鋼商社とは、鉄鋼製品の仕入れや販売、輸出入を専門に行う商社のことです。鉄鋼商社が扱う鉄鋼製品には、鉄板や鉄筋、鋼管などがあり、これらの製品を鉄鋼メーカーから仕入れて、建設会社や製造会社などに販売しています。このページでは、インフラ産業における鉄鋼商社の役割について解説しているため、転職先を探している方は参考にしてください。

鉄鋼商社の役割

鉄鋼商社の役割は、主に鉄鋼メーカーと企業のトレーディングを仲介することです。そのほか、事業投資や鉄鋼製品の加工も重要な事業となります。鉄鋼商社がどのような企業なのかを理解するためにも、それぞれの事業についてしっかりと押さえておきましょう。

トレーディング

トレーディングは鉄鋼商社の主要業務のひとつです。売り手と買い手の間に立ち、価格交渉、納期調整、品質保証などを通じて、取引が円滑に進むようサポートします。

また、双方のニーズを把握して最適な取引条件を提案したり、トラブルを未然に防ぐ役割も担っています。特に国際取引では、関税や輸送リスク、為替リスクなど複雑な要素が絡むため、双方の要求を調整する鉄鋼商社の存在が重要となってきます。

事業投資

鉄鋼の製造に不可欠な鉄鉱石や石炭などの素材を採掘する企業へ事業投資を行い、供給チェーン全体の安定性を確保することも鉄鋼商社の役割のひとつです。また、環境規制の強化に対応し、持続可能な採掘方法の開発や環境保護への取り組みも行っています。

鉄鋼製品の加工

近年、仕入れた鉄鋼製品をただ販売するだけでなく、加工業務も行う鉄鋼商社が増えています。鉄鋼製品の加工まで手掛ける鉄鋼商社が増えている理由としては、鉄鋼商社を介さずに顧客へ直接販売してコスト削減を図っている鉄鋼メーカーの存在が影響しています。

そこで鉄鋼商社が顧客の細かいニーズに合わせた加工業務も引き受けることで、顧客は必要な鉄鋼製品をワンストップで調達でき、取引をスムーズに進めることが可能に。製品の品質管理や納期の調整などのトレーディングだけでなく、加工業務も一手に引き受けることによって、鉄鋼商社が取引の仲介に入る必要性やメリットを高めているというわけです。