ビルなど建物のインフラ産業を支えている専門商社の種類や、それぞれがどのようにインフラ産業に携わっているのかを詳しくみていきます。仕事内容ややりがいなども紹介しますので、就活や転職の参考にしてください。
建物のインフラ産業を支えている専門商社は、大まかに建材商社・電材商社・管材商社の3種類あります。どのようにインフラ産業に携わっているのでしょうか。それぞれの特徴を解説していきます。
建材とは、フロア材やドア、木材、金属など、建物を建てるために必要な材料のことをいいます。建材にも柱や梁といった構造材を扱う企業や、窓枠やサッシなどの仕上げ材を扱う企業、トイレやキッチンなどの設備機器を扱う企業などがあります。
建材商社は、部材や資材といった建材を必要とする販売店や建築会社と建材メーカーの間に入り、双方をつなぐ役割を担います。
建材商社での仕事は、主に営業・システムエンジニア・コーポレートスタッフ・一般職に分かれます。職種によって役割が大きく変わりますので、どの職種が自分に向いているかよく見極めることが大切です。
【営業】
建材を販売したい建材メーカーと、建材を必要とする建設会社やハウスメーカーなどをつなぎ、商談を成立させる仕事です。基本的には取引先を巡回するタイプの営業となることが多く、人と接する機会も多くなります。建材の知識や動向、交渉のノウハウなどが要求されます。
【システムエンジニア】
建材商社におけるシステムエンジニアは、社内エンジニアとして社内のネットワーク管理や情報を整理して効率良い活用ができるようにするアプリケーション作成などを行います。社内のさまざまな部署から必要なシステムを求められるため、各部署の仕事内容も把握する必要があります。
【コーポレートスタッフ】
経理、総務、人事、財務、法務などを担当するのがコーポレートスタッフです。企業の規模によりますが、さまざまな役割を兼任することも多くみられます。自社で働く人をサポートする存在となる、大切な職種です。
【一般職】
企業によって総合職と一般職に分けて採用する場合もありますが、一般職の仕事内容は配属された職種により異なります。総合職より給与が低い傾向で、幹部候補としての昇格はありませんが、転勤や配属移動がないメリットもあります。
建材商社は、建築会社や工務店などの取引先から必要な建材のニーズをヒアリングし、調達や提案を行います。建材メーカーとエンドユーザーの間に入って、双方をつなぐ役割なので、どちらとも信頼関係を築くことが大切です。
自分の提案や企画が良い結果に繋がったり、顧客から信頼され責任ある仕事を任せてもらえることは、大きなやりがいに繋がるでしょう。
電材商社とは、電気設備資材をメーカーから仕入れ、施工をする建築会社や工務店などへ販売する仕事です。電気を使うために必要で、建物にはなくてはならない設備ですが、電設資材は数十万点に及びますので専門知識とネットワークが求められます。
全日本電設資材卸業組合連合会によれば、市場規模は約2.4兆円(2022年6月時点)となっていて、比較的大きな市場といえます。
電材商社の主な仕事は、電気に関する商品を取り扱う専門商社として、住宅や店舗、工場、事務所などの建物に使われる照明器具や受変電設備、配線器具などをメーカーから仕入れ、電気工事業者に販売することです。
つまりは営業が主な業務となります。
電材商社の営業が扱う商材は約数十万点にものぼり、仕入れ先のメーカーも数百社あります。膨大な商材の知識を、専門商社として常に把握しておく必要があり、メーカーが開発・発売した新しい商品情報も常に収集しなければなりません。
多種多様な商品の中から、エンドユーザーのニーズを的確に捉え、最適な商品提案や提供を行うことが大切です。
電気工事業者とメーカーの間に立ち、電気工事業者の「必要な商品、顧客ニーズにマッチした商品を、最低限の数量で可能な限り安く、ミスのないように仕入れたい」というニーズと、メーカーの「自社商品を使ってもらいたい」というニーズをつなぎ、商談を成立させる役割を担います。
また取引のある電気工事業者が頻繁に使う電設資材は、定番商品として自社倉庫に在庫しておき商品供給を行うこともあります。
電材商社の仕事は、必要としている電気工事業者に、できるだけ迅速に必要な商材を届けられるかが評価の分かれ目になります。仕入れる業者としては、欲しいものが安く手に入ればどこから買っても問題はないので、かゆいところに手が届くような、先を見越す力と気配りが大切です。
「どこから買っても同じだけど、あなたから買いたい」と言われるほど信頼してもらえたり、困ったことがあると真っ先に相談してもらえたりすると、大きなやりがいを感じるでしょう。
給排水や空調システムに使われる、パイプやポンプ、バルブ、タンク、ボイラー、メーター類などの設備・資材のことを管材といいます。ガスや水道などが安定的に供給されるために欠かせないものです。
管材商社の主な職種としては、営業、在庫・物流管理、技術支援、経理・事務などがあります。
【営業】
企業によってどこからどこまでを営業が担当するかは多少異なりますが、基本的にはルート営業で、管材メーカーから製品を仕入れ、工事会社や小売業者に販売します。
管材メーカーと工事業者や小売業者の間に立ち、スムーズに必要な商材が必要なところへ流通させる役割を担います。
製品の種類が非常に多く、同じ用途のものでもメーカーによって名前が違い、商品を覚えるのも大変ですが、顧客が必要としている商品の仕様や機能など専門的な提案を行うためには、幅広い知識が必要とされます。市場調査を行い、業界の動向や顧客ニーズを常に把握することも大切な営業活動の一環です。
【在庫・物流管理】
顧客のニーズにスピーディに対応するために、さまざまな管材を在庫しています。在庫の適切な管理・維持は、在庫不足や余剰リスクを防ぐためにも大切な仕事です。
また発注があれば速やかに配送できるよう、適切に保管し、選定から配送スケジュール管理、輸送コストの最適化まで物流管理を行います。
【技術支援】
管材商社は顧客が抱える技術的な問題を解決するため、ソリューション提供をすることもあります。システム設計のアドバイスやカスタム製品の開発支援、特定の用途に最適な材料の選定など、技術的なサポートを行います。
管材商社は、社会インフラを支える重要な役割を担っています。人々が生活を送るのに不可欠な、水道やガス、空調システムといった基盤を支えて、社会機能の維持と発展に直接貢献しています。
ときには大規模な産業プロジェクトに携わることもあり、自分の成長にもつながります。顧客の信頼を得たり、技術や製品の最先端を学べたりすることは、大きなやりがいになります。
建物のインフラ産業を支える専門商社は、大きく3種類あります。どの商社であっても社会の基盤を支えるインフラに関わる仕事は、魅力にあふれ大きなやりがいにもつながります。
下記ページでは、未経験でもインフラ産業を支える仕事に携われる事例を紹介しているので、参考にしてください。
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