建材商社は、住宅やビルを建てるときに必要な「建材」を取り扱う専門商社です。
建材とは、たとえば柱や梁(はり)といった建物の骨組みに使われる材料や、壁紙やフローリングといった内装材、さらにはトイレやキッチンなどの住宅設備まで、建物をつくるために欠かせない幅広い資材のことを指します。
建築の現場では、こうした建材をたくさんのメーカーから調達する必要があります。しかし、建設会社や工務店が自力でそれを行おうとすると、どの商品がどのメーカーにあるのかを調べ、価格や納期を比較し、個別に発注するなど、大きな手間と時間がかかってしまいます。
そこで登場するのが建材商社です。
建材商社は、建材メーカーと建設会社・工務店などの「橋渡し役」として機能し、豊富な建材の中からニーズに合った商品を見極めて提案したり、スムーズな取引をサポートしたりしています。
まとめると、「建材を売りたいメーカー」と「建材を使いたい現場」の間に立ち、最適なマッチングを行うのが建材商社の役割です。取り扱う建材の種類は多岐にわたり、知識も柔軟な対応力も求められる分野ですが、それだけに専門性を活かして活躍できる場面も多い仕事といえるでしょう。
建材商社では、さまざまな職種の人たちが連携しながら仕事をしています。代表的な職種には、「営業職」「システムエンジニア」「一般職」「コーポレートスタッフ」の4つが挙げられます。
建材商社の中心ともいえるのが営業職です。
工務店や建設会社から「こんな建材が必要なんだけど…」と相談を受け、そのニーズに合った商品を提案します。納期や価格の調整、見積もりの作成、現場への納品までの段取りなど、関係者とのやり取りが多く発生する仕事です。
営業スタイルは、取引先を定期的に訪問してニーズを聞き出し、適切な建材を提案する「ルート営業」が中心。ときにはサンプルや分厚いカタログを車に積んで何件もまわる日もあります。
扱う商品が多く、幅広い建材の知識も必要ですが、「あなたにお願いしたい」と言ってもらえるような信頼関係を築けると、やりがいも大きくなります。
建材商社でのシステムエンジニアは、社内のITまわりを支える存在です。たとえば、受発注や在庫管理のシステムを整えたり、営業部門の業務を効率化するアプリをつくったり、ネットワークやセキュリティを管理したりと、仕事内容は多岐にわたります。
社内のあらゆる部署と関わるため、単にプログラムが書けるだけではなく、「相手の業務を理解する力」や「伝える力」も必要になります。
一般職は、営業職や管理部門のサポートを行うポジションです。たとえば営業アシスタントとして、見積書の作成や受発注の処理、電話対応などを担当します。補佐的な立場ですが、部署の潤滑油のような役割として欠かせない存在です。
総合職に比べて転勤や部署異動が少なく、特定のエリア・業務に腰を据えて働けるのが特徴。給与水準は総合職より控えめですが、そのぶん安定した働き方が可能です。
経理・人事・総務・法務・財務など、社員が働きやすい環境を裏から支える重要なポジションです。
たとえば経理であれば請求書の処理や決算対応、人事であれば採用や社員のサポートなど、会社の運営に欠かせない業務を担っています。特に建材商社では取引量が多いため、数字の管理や法務対応なども緻密さが求められる仕事です。
中小規模の商社では、1人が複数の業務を兼ねることもあり、マルチタスクに対応できる柔軟さが求められます。
建材商社の仕事には、数字では表しきれない「やりがい」がたくさんあります。ここでは、建材商社で働く中で感じられるやりがいを紹介します。
建材商社は、メーカーと建設現場をつなぐ調整役です。たとえば、建設会社から「デザイン性の高いサッシがほしい」と相談を受けたときには、条件に合う製品を複数のメーカーから探し、価格や納期、仕様の調整までトータルに対応します。
ときには、「注文していた外壁材が足りなくなったんだけど、2日以内に手配できないかな?」とか、「この現場は海沿いで塩害が心配だから、もっと耐久性のある製品に変えられないかな?」といった、急な依頼や難しい相談が寄せられることもあります。そうした場面で、自分の知識やネットワークを活かして期待に応えられると、「やっぱりあなたに頼んでよかった」と感謝の言葉をかけてもらえることも。その一言と、プロジェクトがスムーズに進んでいく手応えは、大きなやりがいにつながります。
建材の世界は奥が深く、素材ごとの特徴や施工の工夫、最新のトレンドまで、知れば知るほど「現場が見えてくる」ような面白さがあります。取り扱う製品が多いため最初は覚えることも多いですが、経験を重ねるうちに「この現場にはこれが合うな」「この予算ならこのメーカーが向いている」といった判断が自然とできるようになります。
また、お客様との商談や調整を通して、提案力や調整力、段取りのコツなど、実践的なスキルも身についていきます。若手のうちから裁量を持たせてもらえる場面も多く、自分の成長をリアルに実感できる環境です。
このように、建材商社の仕事には、「人と人をつなぐやりがい」「現場に貢献できる手応え」「知識と経験を積み上げていく面白さ」が詰まっています。苦労やプレッシャーを感じる場面もありますが、それを乗り越えて現場がうまく回ったときの達成感は、何ものにも代えがたいものです。
建材商社の仕事にはやりがいや面白さがある一方で、業界ならではの厳しさも存在します。就職や転職を考えるうえでは、良い面だけでなくどんな苦労があるかも知っておくことが大切です。
建材業界では、似たような商品が数多く流通しているため、製品の差別化が難しいという特徴があります。そのため、価格で勝負せざるを得ないケースが多く、商社としても「安く仕入れて安く売る」ことを求められがちです。
こうした「薄利多売」の構造では、数を売らなければ利益が出にくくなります。そのため営業も、訪問数や契約数など“量”を求められがちで、精神的なプレッシャーを感じることもあるでしょう。
建材商社は、建材メーカーと建設会社のあいだに立つ存在です。メーカーからは「もっとたくさん売ってほしい」と言われ、顧客からは「コストを抑えて、すぐに納品してほしい」と求められる——その両方のあいだで、板挟みになりやすいのも事実です。
双方の要望に応えようとする中で、スケジュール調整や価格交渉など、神経を使う場面が多くなります。
営業職の場合、サンプルやカタログを車に積んで顧客先をまわる毎日は、決して楽な仕事ではありません。扱う建材には重いものも多く、移動距離や訪問件数によっては、体力的な負担を感じやすくなるでしょう。
また、営業活動だけでなく、1日に何件もの見積書を作成したり、在庫状況を確認したりといった事務作業も並行して行う必要があります。そのため、スケジュール管理の能力も求められます。
企業や地域によっては、営業活動の一環として「ゴルフ」「飲み会」「休日の会合」など、業務時間外の付き合いが求められることもあります。
近年はこうした風習も少なくなってきましたが、「人付き合いも仕事のうち」という考えが根強く残っている会社も少なくありません。
かつて日本では、高度経済成長とともに住宅・オフィス・商業施設の建設ラッシュが続き、建材商社もその需要に支えられて成長してきました。しかし現在は、少子化や人口減少の影響を受けて、新築住宅の需要は縮小傾向にあります。
こうした環境の中で建材商社が今後も生き残っていくためには、「効率化」と「差別化」が重要なカギとなります。
まず求められるのは、日々の業務の見直しです。商品管理や受発注システムのデジタル化、営業活動の可視化、在庫の最適化など、ITを活用した業務改革が各社で進められています。
また、従業員の働きやすさを考え、残業の削減やフレックスタイム制度の導入など、職場環境の改善に取り組む企業も増えてきています。
国内需要だけに依存せず、海外市場へと視野を広げる企業も出てきました。海外の建設需要に応えるために輸出事業を強化したり、現地のパートナーと連携して販路を拡大したりと、グローバルな展開が進みつつあります。
さらに、これまで価格競争に陥りがちだった建材業界において、今後は「提案の質」や「課題解決力」がより重要になるでしょう。たとえば、空間設計の提案や施工との連携など、付加価値のあるサービスを提供する商社も登場しています。
工務店の施工効率を高める建材の提案、メーカーの強みを引き出した商品紹介、小ロットや短納期への柔軟な対応など、そうした“付加価値”のある営業力こそが、これからの建材商社に求められる力といえます。
建材商社は、まだまだ発展の可能性を秘めた業界です。専門的な知識を身につけながら力を伸ばしたい人、自分の提案で現場に貢献したい人、多くの人と関わりながら信頼関係を築いていきたい人にとって、大きなやりがいを感じられるフィールドといえるでしょう。
経験を重ねていく中で、企画職・管理職・海外事業の担当など、将来的なキャリアの広がりも期待できます。
イシグロ株式会社は、建築物に欠かせない配管を中心に様々な商品を販売する専門商社。専門商社の営業と言うと、かなり知識が必要。未経験からでは無理。そう思うことはありませんか?
イシグロでは、教育制度を充実させ、未経験から入社し活躍する営業がたくさん在籍しています。イシグロの教育で未経験から専門商社営業にチャレンジしてみませんか?