専門商社と総合商社の違い

商社とは？

商社とはあらゆるものを商材として取引をする会社のことです。商材は世界中にあり、海外貿易や国内での卸売業を中心とした商業を営んでいます。

「何でも屋」と呼称されることもあるように、食料品から雑貨、エネルギー資源まで幅広い事業やサービスを展開しています。

商社の大きな特徴は、他社の商品を別の企業へ繋ぐ仲介役となることで、自社で在庫を抱えることはありません。

各商社によって得意分野は異なりますが、国内においてはビジネストータルコーディネーターとしての役割を担い、情報や金融、物流など多岐にわたる分野に携わっています。

専門商社と総合商社のちがい

取り扱っている商品やサービスの種類、規模の違いなどから専門商社と総合商社に分けられます。

専門商社とは

特定の分野や商品に特化して取り扱う商社を専門商社といいます。医療や食品の特定分野に多く、大手メーカーの子会社や関係会社がよく見られます。

総合商社より事業規模は小さいですが、特定の分野に強く独自のノウハウを活かした事業を行います。専門性が高いため分野によっては総合商社よりも売上高が高いこともあります。またクライアントからの信頼も厚く、業界の動きも理解しやすくなります。

総合商社とは

総合商社は多種多様なサービスや商品を取り扱っています。巨大な事業規模を持ち、国内だけでなく海外にも展開したグローバル企業が多い傾向です。そのためスケールの大きな仕事も多いでしょう。

商社の仕事の主軸はトレードと事業投資ですが、近年では事業投資の割合が高まっており、エネルギー関連や社会インフラの大型プロジェクトも行われています。

専門商社の強み

専門分野に対する知識やノウハウ、ネットワークは、専門であるからこそ強みとなります。幅広く取り扱う総合商社に比べて、その分野にかけての情報量や知識量がはるかに多く深い、経験を積めば業界の動向などをある程度予測し対策を立てることもできます。

また総合商社では扱わないニッチな商材を扱うので、より専門性が高くライバルも少ない安定したビジネスが可能です。小規模ではあっても小回りが利くため、顧客の要望に沿った提案ができることも強みとなります。

総合商社の強み

エネルギー資源や社会インフラなど、何兆円という予算が組まれる大きな規模のビジネスができる、という圧倒的な強みがあります。また幅広い商材を扱うため、ビジネスチャンスの範囲も広く、あらゆる業界の業態と制約のない自由なビジネスを行えます。

扱える品目が多い、とういうことは一つがダメでも他の品目でカバーができる、という強みにもなります。たとえば世界的にある商材が不足したとしても、そこにビジネスチャンスを見出し、損失をカバーすることができるのも総合商社ならではです。

専門商社に向いている人

専門商社は得意とする分野に特化して、メーカーや顧客との仲介を行います。商社マンとしては双方の意見や要望をヒアリング、調整してビジネスを成立させなければなりません。

専門商社では扱う商材が決まっているため、得意分野がある人や、扱いたい商材がある人、その商材のスペシャリストを目指す人に向いています。

専門分野の市場を分析し将来を見通した提案をする分析力が求められます。市場や経済、消費者の動向などにも関心をもちコミュニケーション能力のある人は専門商社に向いているでしょう。

総合商社に向いている人

総合商社では大規模なプロジェクトが多いため、仕事をする上で大切ことは仕組み作りとなります。総合商社が扱うのは幅広く多岐にわたるため、まずは新しいことを勉強し続ける力と、チームで仕事を円滑に行えるコミュニケーション能力が求められます。

また海外との取引も多いので、グローバルに活躍したいと考えている人も総合商社は良いフィールドです。大きな仕事に携わることができる反面、関わる人との困難も多くなるため、苦難を突破するスキル、やり遂げられる精神力も大切な要素となるでしょう。